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連載「(仮題)かゆいところがございますよね?」~感覚の深さ~

  • 2018/10/18
  • 連載
美容師生活30年を過ぎ、今まで関わったお客様はもう
数えきれないほどの方々とお会いしました。
それだけたくさんの人と関わると、色んな出来事は
あるものです。

そんな今までの経験の中から、笑える出来事、
笑えない出来事、人間って面白くもあり
難解で不可思議なところを面白おかしく
シリーズで綴ろうと思います。

注※内容は人に対しての侮蔑などでなく、出会い 経験させてもらい成長させて頂いた感謝の
 ブログになります。内容に関するものに、深い意味はなくあくまでも経験談を書くものとします。
個人情報保護の観点から、人の名前などは 仮名とさせていただきます。
軽い気持ちで人の奥ゆかしさ、変さ、愛すべき個性などを楽しんで頂ければと思います。

シリーズ 「回想録:(仮題)痒いところがございますよね?」



以前まで、街の美容室同士というのは、正直あまり仲が良くなかったことが多く

お互いライバル同士でお客様の取り合い?じゃないですけど、

美容室同士の交流というものがあまりなかったのですが、ネットの普及とともに

SNSが発展し、SNSから発信する美容師も増えていったわけですが、

そこで、当時mixiをやっていた僕は最初は趣味程度でしたが、なぜだか

全国の美容師さんと繋がることが増えて行きました。

当時、mixiにてマイミク(友達関係)にある方からメッセージが来ました。

その方は女性の美容師さんで、僕にこういうメッセージを送ってきた。

「お疲れ様です。実は私はネットで縮毛矯正の相談に乗っているのですが、
そのお悩みを持っている方の近隣の美容室を探したら、木村さんのお勤めする
サロンが近かったので、ご紹介しておきました。木村さんなら大丈夫だと
思いますが、どうやら、前回行かれたサロンで、縮毛矯正をされ、
失敗し、毛先がビビってる(ライターで焼いたようなジリジリ状態)状態みたいで
スピエラ(薬剤の名前)でビビリ部分の修正をして上げてください。」

とメッセージが来た。当時、mixi内で全国に友達が出来ると

あるサロンのお客様が転勤で、とある地域に引っ越しされた際

友達の中で、お客様が引っ越しされる地域の美容室に紹介するという

ことが行われていました。お客様のプロフィール的なことや、薬剤のレシピなんかを

教えてもらえることで、スムーズに引き継ぎが出来、ある意味よかったのです。

が。。。。。。。。。

この女性美容師さんからは引き続きこのようなメッセージが書かれていました。

「その方、ちょっと性格的に問題があると思いますが、木村さんなら大丈夫だと思います」

と無責任なメッセージを送ってきたが、せっかく紹介いただいたのに、無下に断ることも出来ず

引き受けることにした。

引き受けたことを忘れた頃に、僕を名指しで電話してきた方がおられた。




お電話を変わると、そのご紹介されたお客様でした。


僕はすっかり忘れており深く考えていなかった。

その方をOさんとします。


O「あの。。。〇〇さんの紹介で電話させてもらったOと言いますが」

僕「ありがとうございます!流れ的なことはお伺いしております

ご予約いつになさいますか?」


O「あの~私仕事の関係で、土日しか行けないんです」

僕「そうですか。。。土曜日は大丈夫なんですが、日曜日は僕は

  心斎橋店にいますもので、土曜日でも大丈夫でしょうか?」

O「あの~その前に、雨の日に行きたいんです。。。。」

僕「????・・・・雨の日ですか?・・・・・・」

O「雨の日の髪の状態を見てもらいたいんです」

僕「そうですか。。。。では前もってのご予約というよりは

 雨の日の土曜日を予測してご予約いただけるか、当日に頂く方が

いいかもしれませんね?」

O「それを言ったら、いつになるかわからないですよね?」

僕「そうですよね?」

O「晴れてる時はまだましなんですが、雨の日が酷いので」

僕「そうですよね?それと、〇〇さんからお伺いしたんですが

毛先がビビってしまったというお話を聞いておりますが」

O「そうなんです。アイロンされてる時に、ジュッって言ったんで

大丈夫ですか?って聞いたら、大丈夫ですよって言われたんですが

毛先がライターで焼かれたようにジリジリになっているんです」

僕「そうでしたか。。。。ちょっと見てみないとわからないので

何とも言えないんですが、毛先がアイロンでビビってる場合は

切らないといけない場合もありますのでご了承いただけますか?」


O「髪は切りたくないんです」

僕「そうですか。。。。。。このお電話では色々と限界が

ありますので、実際にご来店いただいてから明確な方向性を

決めた方がいいみたいなので、頃のいい日にご予約いただけますか?」

O「それもそうなんですが、髪の膨らみとダメージも結構あるんです。

癖が伸びてないのもあるし。。。。」


それも含めて、見てからのお話になるという事をお伝えするが

問答巡り。。。。。。


いやいや。。。。お客さんお待たせしてんねんけど。。。。。

僕「では、事前に見させていただくために、メールアドレス

お伝えしますので、写メを送っていただけますか?」

すると彼女は、

O「写メだと画素数の問題もあって正確には判断出来ないと思うんですけど」


だから来いや!!!来てからや言うてるやろ!!!(爆)


正直僕の中で、はじけてしまった。


じゃあどうすればいいのよ????・・・・


お待たせしているお客様もいるので(この時点で電話20分。。。)

僕「Oさん大変申し訳ないのですが、今、お客様施術中でして

お客様お待たせしてしまっているので、すべては見せていただいてからの

お話になりますので、ご予約決定されてからお電話いただけますか?」

ここで、はじめてOさんが気づいてくれた。

O「あっ。。。そうでしたかすみませんまた電話します」


なるほど。。。性格的に問題があるというのはこういうことか。。。。。


その電話から2週間くらい経ち、Oさんからお電話。

ご予約を頂けると思っていたが、僕を呼び出す。

僕は、スタッフに

「予約やったら、取って」

ス「いや、木村さんに代わって欲しいって言うてます」


う~~~~~~ん。。。。。。。。。。。

僕「もしもし、こんにちは木村です。予約日お決まりですか?」

と言うと

O「あの~以前行ったサロンで毛先を焼かれたようになってまして」


いや、、、、、それこないだ話したやん。。。。。

O「雨の日の土曜日に予約したいんですけど。。。」


えっ?・・・・・・・・汗


デジャブ????・・・・・・・・・

まったく同じ内容の話。。。。。。。


前回、散々20分もやりとりしたのにまた1から?・・・・・・


なんで???・・・・・・・

ここはOさんのイニシアチブでは、またお客様を待たせてしまうと思い


僕「Oさん。そのあたりのお話はきちんとお伺いできてますので、

ご予約日を決めていただけますか?」

正直、相手側がどう出るか?わからない問いをぶつけるしかなかった。

すると意外に

O「来週の土曜日にお伺いします。雨も降りそうにもないので」


僕「。。。。。。。。」


そして当日。

サロンスタッフもこの事情をわかっている。

少し神経質な方なので十分な配慮をお願いしますと伝え

ご来店時間に来られたのは、意外と言っては失礼だが

凄く美人(爆)


明るい感じではないが、服装もおしゃれで育ちが良さそうな

聡明な雰囲気な方。

正直拍子抜けしたが、カウンセリングに入ると

だいぶん大変な空気になっていく。

Oさんがまず僕に差し出したのは、データである。

そう、何年何月何日 サロン名 場所 サロンの感想

仕上がりの結果データである。





正直言いましょう。


やりにくい!(爆) 



そこには、事細やかに感想が書いてあり、当然様々な

サロンに行かれているので、良くは書いていない。。。。。汗


大事なのは現状把握。

Oさんの髪は毛先約7~8センチほぼキレ毛でところどころビビリ

髪は細く、癖は弱く広がりはあまり気にならなかったが

個人差があるので

僕「今、この状態どうですか?広がって見えますか?」

するとOさんは

O「今日はまだ、マシですが雨の日はすごく広がります」


やはり雨の日の方がよかったか?・・・・・・

それくらい、どこが気になるのかわからないボリューム感。

しかし、お客様にとっては広がっているんだろうと判断。


施術するも毛先のビビリは治らない。当然それも

事前にお伝えしている。

その日の施術が終わり

数日後、やはりやり直しのお電話。

(この時の電話は短かった)爆

再来店で来られ、ボリュームは収まっているが

Oさんの思うボリューム感ではないと言う。

いやいや。。。。頭の元のサイズ以下は無理よ?・・・・

するとOさんは

O「人生最初の縮毛矯正が1番良かった」


それはその通りである。

なぜなら、バージンヘアからの縮毛矯正が1番

わかりやすいからである。

しかし、縮毛矯正を繰り返していると

毛先は劣化していく。

その質感も嫌いだと。。。。

僕は正直に言うしかなかった。

「それは不可能ですよ」と。。。。

当時、僕はメーカーにも問い合わせもし

様々な手段で挑んだが、納得はいかれていなかったようで

最初に紹介してくれた、女性美容師に

僕の感想をツラツラと書き、その女性美容師も

その内容を僕に送り付けてきた。。。。。

「今後のためになると思うので」



お前何様だ???

それ以来、その女性美容師との付き合いもなくなった。

「話せばわかる」という言葉はあるが、

話してもわからないこともあるという勉強になった。


続く。

【大阪市港区弁天町の美容室|「Marvelous Hair Make Factory」】

住所
〒552-0007 大阪市港区弁天町1-6-38オトハウス101/dd>
営業時間
火・木・金・土 AM10:00〜19:00/ 水・日・祝 AM10:00〜18:00
定休日
毎週月曜日・第1、3火曜日
最寄駅
弁天町駅
電話番号
06-6576-7009

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