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連載「(仮題)かゆいところがございますよね?」~マトリックスのおばはん~

  • 2018/10/10
  • 連載
美容師生活30年を過ぎ、今まで関わったお客様はもう
数えきれないほどの方々とお会いしました。
それだけたくさんの人と関わると、色んな出来事は
あるものです。

そんな今までの経験の中から、笑える出来事、
笑えない出来事、人間って面白くもあり
難解で不可思議なところを面白おかしく
シリーズで綴ろうと思います。

注※内容は人に対しての侮蔑などでなく、出会い 経験させてもらい成長させて頂いた感謝の
 ブログになります。内容に関するものに、深い意味はなくあくまでも経験談を書くものとします。
個人情報保護の観点から、人の名前などは 仮名とさせていただきます。
軽い気持ちで人の奥ゆかしさ、変さ、愛すべき個性などを楽しんで頂ければと思います。

シリーズ 「回想録:(仮題)痒いところがございますよね?」



平日支店勤務、日曜日心斎橋勤務で通い続けやりがいを感じながら

支店の売り上げも復調していき、何とか採算分岐を超え利益が出るようになってきた。

そのころ、Eサロンも年商1億くらいまで急成長。

やはりネイルの人気が後押ししたのであろう。

顧客ゼロからネイルスタッフの頑張りで、急成長を見せた。

しかし、この急成長というのは逆に怖いなと思っていた。

バブル経済や、流行りなどはあくまでも一時的なものであり

その時にご時世的なところもありやはりブームというものは怖い。

大切なのはその先の展開をどうするか?

先々の不安は何物にも付き物ではあるが、不安と危険はまるで違うものである。

そのころ、心斎橋店は手狭でもあり、月々のコストが高ったため

移転することになったが。。。。。

なぜか不安ではなく、危険性を感じた。

まず、移転する場所だ。それでなくとも込み入った市街地のサロン。

路面店での資金力もまだない。

となると、テナントビルの階上になる。市街地の景色は1本筋を違えば

入客はかなり異なってくるし、市街地特有の似た道。

ご来店の際迷われる可能性も高い。ご来店が億劫になる可能性もある。

この変化を嫌うのが意外と、常連のお客様だったりする。

それが、行かないきっかけになったりする場合がある。

特に、美容室のような特殊なサービス形態の業態は多い。

本当は行きたいけど、場所が面倒になる。担当してたスタッフが辞めたから

行くのを辞めるなど、少しのアクションは失うものも多い。

それが的中してしまう。とまぁ経営的な話はここまでにして

本題。

~マトリックスのおばはん~


支店勤務では、穏やかな毎日を送っていたがそんな幸せな日々を

引き裂く強烈なお客様がご来店。

この方は、後にも先にもこんな人は見たことがない。

僕は、この方と接して初めて「サービス業ってなんやろ?」と思った。


支店は建物2Fにあり、言ってみればわざわざ会談を上がっていただかないといけない。

なので、飛び込みの怪しい方というのは少なかった。

そんなある日、全身黒ずくめ、黒のロングコート、サングラスのおばさんが

入ってきた。もう見た瞬間ヤバさが出てた。

直観的に、「これはアカン!」と気づいた。

恰好から当時映画マトリックスのキアヌリーブスを彷彿とさせるイカつさ。

マトリックスのおばはんと呼びます。

すると彼女は

マ「パーマいけるか!?」

ものすごいドスの効いた声で、威圧してくる。

一瞬僕は、「取るな!!!」と心の中で叫んだ。

しかし、受付に立っていたスタッフが「大丈夫ですよ」と受け入れた。

しかも、初めてのお店に入ってきて「パーマいけるか?」と女性の言葉とは

思えない。その命令口調で僕は軽くスイッチが入っていた。

「要注意人物!!」これは、スタッフに担当させると大変なストレスを与えてしまう。

受付を済ませるとカウンセリング。

もう僕が担当するしかないとカウンセリング。

正直、パーマはしなくていいと思ったので、カットだけをすることに。

シャンプーをするわけだが、これもスタッフに任せるとかわいそうなので

僕が担当した。するとマトリックスのおばはんは、

マ「しっかり洗ってや!!」

僕「わかりました」とお顔にタオルをかけようとすると

マ「それいらん!!息苦しいねん!!」

なんで、こんな偉そうなもの言いなんか?こっちも人間やぞ!!と

思いながら、怒りを込めてシャンプー (爆)

僕「痒いところございませんか?」と聞くと

マ「これで、痒い言うやつおるんか?」


僕「。。。。。。」いちいち腹立つな。

カットに入ると

マ「あんた、ここのオーナーか?」

僕「僕は、雇われ店長です」

マ「最近、駅前の寂れた商店街どうや?」

????意味がわかれへん・・・・・

僕「古い方の商店街ですか?」

マ「そうや。」

僕「う~ん閑散としてるとは思いますけどね?」というと


マ「ざまぁ~みろ!!」

?????なんなん??この人。

マ「あいつらな、駅前の再開発で立ち退きしよれへんかった奴らや」

僕「そうなんですか。。。。」

マ「アホが、〇〇(某有名百貨店)に入れる件あったのに断りよったんや。

あいつらがおったから再開発も遅れたんや。ええ気味や」

わぁ~やっぱり只者じゃないこの人。

マ「うちはな、某市の山の手に住んでるもんや。ここらの地域見渡せるとこに

住んでんねん。」

僕「そうなんですね?」

マ「うちはな、パチンコ屋やってんねん。ほんで養護施設も経営してんねん」


えっ。。。養護施設って。。。。。向かいの?・・・・・・

ガレージの件で揉めた養護施設????と思ったが違ったようだ。


マ「うちの家は見渡しええで!だから息子も娘も家出て行きよれへん」

僕「そうなんですね。」

マ「息子が後継ぎでやらしてんねんけどな」

僕「へぇ~凄いですね?」

マ「何が凄いねん?」

なんで、いちいち食って掛かってくるん???めんどくさいねんけど。

そこ流せや!!!と思いながら

マ「何が凄いねんな?」

僕「初代の方も大変だったでしょうけど、後継ぎの方も継続していかんとあかんから]

ともっともらしいこと言うと

マ「そうや。」

もう、返す答えが違うとキレるんちゃうんか?とヒヤヒヤする。

もう、しゃべりたくないけど話しかけてくるから返さないといけない。

すると、

マ「うちはな、養護学校やっててな、かわいいでぇ~障害者の子は。純粋で可愛い。

その点、健常者の子供はスカン!クソ生意気や!」

もう~やめてくれへんかな。。。

マ「うちはな、儲けてるだけちゃうねん。儲かったらちゃんと社会貢献してんねん。

どこぞの金持ちみたいにな、チャラチャラしとれへんねん。金は独り占めしたらあかんねん

社会のお役に立てなあかんねん」

ええこと言うけど、正直どうでもええわ!!

マ「あんた、結婚してんのか?」

僕「はい。」

マ「子供は?」

僕「子供はいません」

マ「結婚して何年や?」

だから辞めろや!!!

僕「7年ですかね?」

マ「子供作らんのか?」

僕「そういうわけじゃないですけど」

マ「もし、嫁さんが不妊症やったら芦屋の〇〇クリニック行ったらええわ」

僕「あ、はい。」

マ「今、何クリニックって言うた?答えてみ」

僕が、ちゃんと話を聞いてるか確認してくる。。。。。怒


僕「〇〇クリニックですよね?」

マ「そうや。」

なんやねん!!このやり取り!!!

あいにく、ヘアスタイルでの細かい注文はなかったので

終わったが、過去最恐のお客様。

お帰りになられ、2Fから帰る姿を見ていると

何と、1階に運転手待たせていた。

しかも、車を移動する際、歩いていた通りすがりのお年寄りに

指をさし、「車が出るからそこどけ!」と指示。。。。。

しかも、黒塗りのベンツ。。。。。。。。


>どこぞの金持ちみたいにな、チャラチャラしとれへんねん。


世の中にはいろんな人がおるけど。。。。。

もうお腹いっぱい (爆)







【大阪市港区弁天町の美容室|「Marvelous Hair Make Factory」】

住所
〒552-0007 大阪市港区弁天町1-6-38オトハウス101/dd>
営業時間
火・木・金・土 AM10:00〜19:00/ 水・日・祝 AM10:00〜18:00
定休日
毎週月曜日・第1、3火曜日
最寄駅
弁天町駅
電話番号
06-6576-7009

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