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連載「(仮題)かゆいところがございますよね?」~井の中の蛙大海を知らず~

  • 2018/09/29
  • 連載
美容師生活30年を過ぎ、今まで関わったお客様はもう
数えきれないほどの方々とお会いしました。
それだけたくさんの人と関わると、色んな出来事は
あるものです。

そんな今までの経験の中から、笑える出来事、
笑えない出来事、人間って面白くもあり
難解で不可思議なところを面白おかしく
シリーズで綴ろうと思います。

注※内容は人に対しての侮蔑などでなく、出会い 経験させてもらい成長させて頂いた感謝の
 ブログになります。内容に関するものに、深い意味はなくあくまでも経験談を書くものとします。
個人情報保護の観点から、人の名前などは 仮名とさせていただきます。
軽い気持ちで人の奥ゆかしさ、変さ、愛すべき個性などを楽しんで頂ければと思います。

シリーズ 「回想録:(仮題)痒いところがございますよね?」


5年間Dサロンで働き、年齢も30歳。キャリアも13年。この5年間で

薬剤の勉強、カットの勉強、経営の勉強もしてきた。

大阪の中心地で1度ポシャってるのでリベンジのつもりで、大阪は心斎橋に

再就職。今まで、下町の小さな店で働いていたので、多少ビビリはあったが

変な自信を持って中心地にチャレンジしてやろうと思った。

この店をEサロンと呼びます。

Eサロンは2店舗で、心斎橋ではリニューアルオープンでの

オープニングスタッフとして5人でスタート。

当時ではまだ珍しかった、ネイルも併用し新たなスタートを切るには絶好の機会。

しかし、心斎橋アメ村となると、数多くの強豪サロンが乱立し、

路面店なんかはランニングコストがかかるため、とある雑居ビルの3F。

1Fにはクラブがあり、週末になると怪しい人たちの巣窟になるようなビルである。

バブル当時に建てられたであろう、コンクリート打ちっぱなしの

まさに、どこから入っていいかわからないようなデザイナーズテナント。

中心地のような場所の集客は、下町サロンのような、ビラ配りなどせず

広告媒体を利用するのがほとんどだった。

関西の各地域からの広いゾーンからの集客なので、当たれば大きい。

しかし。。。。場所の悪さもありなかなか集客が出来ない。

当時、スタイリストが中心のサロンになっていたため

それぞれのスタイリストに付いてきてくれているお客様だけが頼り。

ネイルとなると、まだブームになる前の話なので、当然お客様は来ません。




しかし、ネイリストのNさんは活発的な行動により、Eサロンの売り上げ

6割り近くがネイルの売り上げにまで発展させ、今や世界で活躍されています。


そんなEサロン。まだ残り少ないカリスマ美容ブームの恩恵を受け徐々に売り上げも上がって行った。

忙しくなる中、スタイリストのみのサロン体系というのには限界があった。

オープン当時は、個人商店の集まりというコンセプトであり、美容師にとっては夢のような話で

頑張った分は、還元されていくゆくゆくは、法人化し持ち株制にしていこうという話だったが。。。

なんせ、まとまりがない。。。。。。

中心地で働くような美容師は、アクが強い(笑)

一匹狼達が群れを成すというはなかなか難しい。

朝、サロンに来ても営業時間になったも誰も来ない、手が空けば自由に外に出ていく

自分のお客さんの予約が入るまで帰ってこない。

では、その予約電話を取るのは誰が取るの?

新規のお客様の場合、誰が担当するの?

などの決め事も全く何もない。。。

このままでいいのか????

お客様がご来店頂いても、やって終わり。リピートへ繋がる試みはすべて

マンパワー頼り。チームワークもなく、個人主義。

時に大ゲンカなど無茶苦茶であった。

そりゃ~好きなように働いて、好きなようにすれば誰だって楽。

そんな状況でも徐々に客数が増えていく中、新たにスタッフを募集することになる。

新卒、中途と幅広く募集するのはいいが、1つのサロン内での個人商店という形は

崩壊する。僕はその方がいいのではないか?と思っていた。

個人個人安定した売り上げが上がったとしても、継続するということを考えると

必ず限界がくるだろう。限界の先には何があるだろう?

若手スタッフのトレーニングや教育は誰がするの?

サロンのヴィジョンはどこへ向いてるのか?

今後、このサロンはどうなるのだろうか?と考えると山のような問題が出てくる。

やはり、後輩が出来るということは、個人スタンドプレーは不可能と

給与面は別とし、運営的には従来の美容室の形をとるべきとオーナーに直訴。

まとまりのある組織を作らないと、若手は育たないということで

店長を任されることになった。店長といっても売り上げがトップだから

店長ではなく、まとめ役としての名だけの店長みたいなものだ。

他の同期メンバーには、売り上げで勝てない。ということになると

売り上げが上がらないスタイリストがダラダラといるよりも

サロンの体系化が出来るスタイリストを目指すことにした。

当然、現場責任は僕である。



店長経験としては3度目だ。もう、失敗出来ない。

1度目は経験不足による、店長ごっこで終わり

2度目は人間力不足による、お山の大将で終わった。

3度目は所帯をまとめ、若手育成することで組織化する必要があった。

まず、何が必要か?と考えたときに、現スタイリストの意識改革であり

僕自身の意識改革でもあり、サロンとしての方向性。

何をするか?はオーナーが考え、それをどのようにしていくか?は

僕であり、ネイルの指導者。

正直なところ、ネイリスト部門に関しては、僕は距離を置いた。

なぜなら、中にはOLさんからネイリストになった人

美容学校からネイリストになった人と、間接的な関係性にあり

正直、どうしていいかわからなかったからだ。

美容師の若手育成ならば、経験があるので何とかなる。

僕のモチベーションも上がった。



~ところ変わればレベルが違う~

こちらでも、アクシデントの話をするわけだが、市街地となると

下町美容室とは違い、いろんな地域からいらっしゃるお客様のほうが多い。

そうなると、いろんな方のキャラクターの幅が更に広がるわけです。


~クレーマーではなく〇クザ並みの迫力~

記憶は定かではないが、ネイルお客様でヘアの方へ移行され

ヘアのメニューもしていただいてたお客様。

Iさんと呼びます。

Iさんは職業不詳(この界隈は職業不詳の方が多かった)

でも、夜の商売のにおいのする方で

いつもスッピンサングラスにキャップをかぶり

イカツイけど、話とサバサバしていい人。

美容にも精通してた過去があるのか、専門用語も

ご存じだった。


ある日、寝坊か何かで時間にいらっしゃれなくて

予約時間の変更のところ、「今から行くからやってほしい」と

無理をおっしゃられたようだ。

他のお客様のご予約もあり、その対応が難しいことを告げると

「いつも行ってるやんけ!!なんとかせぇや!!」

これは電話で謝っても「絶対に無理!」と突っぱねられた。

しかし、無理なものは無理。。。。お断りすると

なんと、サロンまで乗り込んできた(怖)

すると、「オーナー出せ!!」全責任者であるオーナーを

呼び出すと、サロンの外で、気になって中から見ていると

Iさんはオーナーを子供を叱りつけるかのように

怒鳴り声をあげている。数分後、オーナーが帰ってきて

僕「何があったんですか??」そう僕はこの事態を後から聞いたのである。


オ「いや、コウコウカククシカジカで」

僕「それでキレてはったんですか?」

オ「キレてるだけやったらええけど、手出してきよった」爆





マジかぁ。。。。男顔負け。。。。。

これは、もう警察沙汰でもいいはず。

僕「警察言うたほうがええんちゃいます?」

オ「いや、もう来てもらわんでいいからいいよ。」


この場合、こちら側に全く対応にも問題はなく

一方的なワガママからの暴力という人格の問題。

さすがに、この件は美容師始まって以来の出来事だった。



~店内騒然~


ある日、サロンに大きな声で怒鳴りつけながら

入ってきたお客様。当時のサロンは、デザイナーズテナントで

死角が非常に多いテナントだった。

最初は電話で喧嘩しながら入ってきたものだとばっかり思っていたら

サロンへのクレームだった。

Nさんと呼びます。

N「お前んとこの店どないなっとんねん!!!やる気あるんかっ!!」

もう、店内騒然である。。。。。

フロントへ向かうと、同僚の常連のお客様だった。

彼女はEサロンの近所で、ひとりでエステサロンをされている方だった。

以前にも顔を合わしたこともあるし、いつもきれいにされてる方で

それだけに見間違えたのか?と思うくらいそして、なぜNさんが誰に怒ってるか

のかもわからなかった。

僕「どうかされましたか?」

N「どうもうこうもあるかぁ!!今日、12時に予約しててな!

仕事早く終わったから11時半でもええか?っていう電話何回もかけてんのに

なんでずっと話中やねん!!!」

話中????いや、誰も長電話なんかしてない。。。。

N「受話器見てみろ!!!上がってんちゃうんか!!」

確認してみると、確かに。。。。。。。。汗



受話器のコードが絡まり、若干受話器が上がった状態になっていた。



僕「申し訳ございません!!」ネイルの店長も出てきて(ネイルのお客様が怖がっていたらしい)

二人で謝っていると、電話機に近いところにいたスタッフに対して


N「お前、一番近くにおるのに何で気づかんのや!!ぼーっとしやがって!!」

まったく関係ないスタッフも連帯責任というくらいの勢いで攻めてきた。

N「責任者誰や!!!」


僕「僕です。」

N「私もな!客商売やっとんねん!!だからこんなん許されへんねん!!」

僕「おっしゃる通りです。」

N「お前らぎょうさんおって、何しとんねん!!!」

とくかく、こちら側のミスなので謝り倒すしかない。

しかし、

Nさんは一通り怒りを吐き出すと、店内での大きな声での暴言などを

謝ってきた。しかし、こちら側のミスでもあるので

そのたびに、いえいえ。。。いえいえ。。。コチラの方が。。。の

無限ループ。

冷静さを欠いたNさんの行動を客観的に見られたのか、今度は

Nさんが謝り倒す。

お帰りの際も、先ほどとは全く別人のように、何度も頭を下げて帰られた。

すると、数分後なんと、お詫びにお茶菓子を持ってきた 爆


もう、彼女の中での罪悪感がそうさせたのであろう。

謝罪とお礼の手紙を書き一件落着。


だったが、


数か月後Nさんは完全に別人となって再来店された。。。。



続く。

【大阪市港区弁天町の美容室|「Marvelous Hair Make Factory」】

住所
〒552-0007 大阪市港区弁天町1-6-38オトハウス101/dd>
営業時間
火・木・金・土 AM10:00〜19:00/ 水・日・祝 AM10:00〜18:00
定休日
毎週月曜日・第1、3火曜日
最寄駅
弁天町駅
電話番号
06-6576-7009

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