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連載「(仮題)かゆいところがございますよね?」~便乗カリスマ美容師~
- 2018/09/27
- 連載
美容師生活30年を過ぎ、今まで関わったお客様はもう
数えきれないほどの方々とお会いしました。
それだけたくさんの人と関わると、色んな出来事は
あるものです。
そんな今までの経験の中から、笑える出来事、
笑えない出来事、人間って面白くもあり
難解で不可思議なところを面白おかしく
シリーズで綴ろうと思います。
注※内容は人に対しての侮蔑などでなく、出会い 経験させてもらい成長させて頂いた感謝の
ブログになります。内容に関するものに、深い意味はなくあくまでも経験談を書くものとします。
個人情報保護の観点から、人の名前などは 仮名とさせていただきます。
軽い気持ちで人の奥ゆかしさ、変さ、愛すべき個性などを楽しんで頂ければと思います。
シリーズ 「回想録:(仮題)痒いところがございますよね?」
Dサロンで勤めて数年後、カリスマ美容師ブームもあり美容室も忙しくなり
この時まで、パーマとカットと白髪染めが主体だった美容室も
気軽に明るいヘアカラーが楽しめる時代になりつつあった。
あと、髪の量を軽くしシャギーなんて言い方もして、猫も杓子もシャギーだった。
髪の量をがっつり軽くするのがブームになり、刀削麺削る中華料理人の如く
ハサミさばきなんかも見せどころな時代に。
そんな、黙っててもお客様が来てくれる時代。
大した宣伝しなくても、「あそこに美容室あるな?」と認識さえあれば
ご来店いただけた。いい時代に入ったなと思ったが。。。。。
~いろいろと限界~
忙しくなればなるほど、カットの時間を短縮しないと
1日に出来るお客様の数は限られてくる。
なので、カットは30~40分以内ですべて終わらせる。
さらに、ご指名を頂くと会話してたら回せないため
黙々と仕事する。小さなサロンだったが徐々に売り上げが上がって行った。
Dサロンもその流れで2店舗目を出店することになった。
本店であるこの小さなDサロンで店長的な存在になり、オーナーが支店に回る
という流れになり、若いスタッフの女の子と新たに男の子が入り3人体制で
運営することになったが。。。。女の子はアシスタントで、男の子は
スタイリストという触れ込みで入店したが、まったく切れない。。。。
まじかよ。。。。僕の技術へのこだわりからカットに入らさないわけでなく
出来ないレベルなのだ。
それをオーナーに伝えると、「一応、スタイリストで取ってるから入客させて」
「いやいやいや、、、無理ですよ!こないだもカット1時間半で後ろしか切れてないから
僕が変わったんですよ!」
「ええよ。入ってもらって」
いやいやいや!ミスって怒られるのは嫌なので
「きちっと判定してからの方がいいですよ!」
「まぁ、任せるわ」
ということもあり、一気にスタイリストとしてのお客様の数をこなさないと
いけなくなった。
僕の度量不足からか、スタッフ間とのトラブル
意思の相違、限界を超えた仕事量で潰されそうになっていた。
しかし、支店にスタッフを集めて本店は少数でという考えを変えないオーナーとの
軋轢が出来てしまう。
ゆるくて楽しかった環境も、ギスギスするようになり
ヘアショーまで出れるようになったが、ヘアショーのあとオーナーと対立した。
体もボロボロで、腕が上がらない、寝ているときに店の電話の音がする幻聴まで聞こえ出し
精神的にも追い詰められていた。そういった諸々の事情から退店を決意。
それまで、仲良く楽しく仕事が出来ていたが、環境が変われば人間関係も変わる。
もともと2~3匹の金魚鉢で泳ぐ金魚は、いきなり5~6匹の金魚が来て
大きな水槽になると、もともといた金魚は環境の変化についていけず死ぬと言われている。
まさにその状態だなと思った。
約5年間Dサロンでお世話になり、この店で働いて良かったとは思っている。
しかし、今だにDサロンの夢を見る。
今、自分の店を持っているのにDサロンでも働き続けている夢を見て
自分の店をないがしろにしてしまう夢だ。
どういう意味があるのかわからないが、焦って目が覚めることがある。
仕事を任される喜び、やりがいは最大のモチベーションでもあるが
ある一定の自分の器を超えてしまうと、喜びや、やりがいは真逆の
苦しみとやりがいのない仕事になってしまう。
自分の器の小ささに自信喪失になり、2度目の店長経験をしたが
やはり向いてないのかも知れないと落ち込んだ。
でも、美容師を辞めようとも思わなかった。
この時あたりから、「天職って何?」と思ったが
けして自分は美容師に向いてるとも思わなかったし、好きでやってるとも
思えなかった。
技術だけする仕事でもない、接客もしないといけない
サロンでの人間関係もうまくやっていかないといけない。
美容師云々じゃなく、社会とはそういうもんだと感じた。
よく、人間関係が1番と言うけれど、違う環境で育った人間が
1つの箱の中で一緒に仕事するのだから、合わなくて当然。
独りよがりに仕事なんか出来ないし、それがしたければ
一人で仕事をすればいいだけ。
外から見たら、華やかな美容業界。
どこの会社も同じで、人間関係も様々。
むしろ華やかさなんかない。
お客様を華やかにする仕事ではあるけれど、自分の職場に
華やかさはない。それはどこの会社も同じだろう。
ちょうど年齢も30歳になっていた。
独立を夢見るも、とにかく貯金がない(笑)
いろんな方に相談したら、「もう少しいろんなサロンを見た方がいいんじゃないか?」
という言葉が多く、いい年ではあるが、人間的にまだまだ子供だったので
もう少し修行しようと思い、かねてより考えていた
心斎橋界隈で仕事をしてみようと思い、サロン探しを始めた。
続く
- 住所
- 〒552-0007 大阪市港区弁天町1-6-38オトハウス101/dd>
- 営業時間
- 火・木・金・土 AM10:00〜19:00/ 水・日・祝 AM10:00〜18:00
- 定休日
- 毎週月曜日・第1、3火曜日
- 最寄駅
- 弁天町駅
- 電話番号
- 06-6576-7009
【大阪市港区弁天町の美容室|「Marvelous Hair Make Factory」】
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